Deux Moulins

芸術鑑賞が大好きな大学生の忘備録

【スケート雑記】Giuliaアワード2019-20

選考基準はただ一つ!主観!!

というわけでまたまた久しぶりの更新となりました。

今回は2019-20シーズン大晦日ということで今シーズンの好きなプログラムを某連盟に倣ってアワード方式で発表しようと思ったのですが、賞とか順位をいろいろ考えているうちに「ええい!選べん!みんな好き!!」となってしまったので、ただただひたすら今シーズンの好きプロを垂れ流していきます。

(あ、一応賞は考えていたのでいくつかまとまりに分けて紹介しますね)

ISU主催大会で披露された演技が中心です。

さて、発表に参りましょう〜


ここら辺は新人賞といいますか、今後の活躍が楽しみな選手が中心ですね。町田樹さんに倣えば「プロミス賞」かな?(参照:フィギュアスケートTV)

佳生くんアイスショーなどで拝見していたものの、これまでちゃんと競技プロを見る機会がなかったんです。しかし今シーズンのサマートロフィーで初めて生で演技を見て、「なんて綺麗な軸でジャンプを跳ぶ子なんだ…!」と感動しました。このRISEではビートを気持ちよく拾っていて、彼の音感の良さも生かされていると思います。

ヘインちゃんは韓国女子の標準装備とも言える爆裂3Lz-3Tに加えて回転不足の不安のなさ・クリーンなエッジ・スピンのレベル取りの鬼・音楽に合わせた巧みなフットワークと強みが揃いまくったオールラウンダーだな〜と思います。ファイヤーダンスではその魅力が存分に発揮されていますよね。個人的には韓国選手権の時、ラストのスピン前にジャッジに向かって手でハートを作っていたお茶目さが好きでした♡

りくりゅーがこんなにデビューシーズンから強さを発揮するとは嬉しい予想外でした。すでに要素を決めるだけではないトランジションや表現面での工夫が見られて、どこまで高みを見せてくれるだろうというワクワク感があります。Fix Youでは「Tears stream〜」という歌詞に合わせて行われるデススパイラルが、涙が落ちた後の波紋のように見えてとっても好きな要素なのです。

パンリロを初めて見たのは、確かJGPSでのツイストジャンプを切り取った動画か何かだったと思うのですが、「空から女の子が降ってくる」という状況が現実に繰り広げられている様に茫然としました。ツイストを取り上げられることが多いですが、スロージャンプもあり得ない高さでこれCG?と疑うレベルです。いまだに疑っています。一度生で見てみたい。

グリパーはどちらも前はきょうだいカップルを組んでいた同士ですね。試合を追うごとに面白いくらい同調性が増していく様が印象的でした。FDでは女性の衣装の印象からかなり獰猛な表現が繰り広げられるのかと思ったのですが、実際はサラッとエレガンスでくどくない!その意外性が記憶に残っています。

ヨンヒョンくんユース五輪で知りました。なんていうんだろう…韓国のルーカスくん的な。スマートで上品な、でも痒いところに手の届くような気持ちいいムーブメントをする子だな〜と見とれてしまいました。上下白というちょっと勇気のいる衣装もバッチリ着こなしていて、お洒落さんだなー!と思いました。今後もいろんな衣装を着ていろんなジャンルの音楽で滑って欲しい。

梓沙ちゃんのSPのStSqはもう…何回見ても"""ヤバイ"""ですよね…ええ…これはもう私の語彙力じゃ言い表せないので見てもらうしかない…かの有名なチャルダッシュですが、彼女が滑っていく様子を見て作曲されたのかと思うくらい、身体と音楽とが一体になっているなと思います。青を基調とする中に黄色とお花のアクセントが効いたお衣装も素敵〜!

ラマショワさんは遅ばせながら世界ジュニアで知りました。なんでもっと早く見てなかったんだろう…。第一印象はジャンプの軸が細い!!というところで、しかもタノやリッポンの腕がはちゃめちゃに綺麗なので、もう彼女がジャンプを跳ぶとお花が咲くように見えるですよね。滑り終わる頃にはお花畑。エッジが気持ちよくギュイーンと伸びるのも気持ちいい。なんでもっと早く見てなかったんだろう…。

ウィソヨンさんを認識したのは忘れもしない、クールシュベル…まだ夏の暑さしつこく残る8月、JGPSの初戦をワクワクしながらライストで眺めていた時、高原に咲く一輪の花のように凛とした佇まいの少女がウィソヨンさんでした。打楽器の響きを生かすため音のないパートもある、ジュニア選手が滑りこなすには少し難しいかな?という曲を見事に自分のものにしていて、驚きました。

うたしん…今シーズンお心を最も捧げたスケーター達であります…彼らについては別記事で書いているので詳しくはそちらを見ていただきたいというところですが、私は彼らのおかげで長年気になりつつもルールを覚えることができず深みに突入できなかったダンス沼に本格的につかることが出来ました。スケオタ人生の中でも運命的な、一生忘れられないカップルになると思います。あ〜重い!でも大好きなんだ!!

どんどんいくよ〜


この二つは名前をつけるならカムバック賞ですかね。

ハンヤンのカムバックは本当に嬉しかったです。また彼の3Aを、3Lzを、スケーティングを、演技を、氷上で見ることができただけで感無量でした。選曲がララランドなのは完全に泣かせにかかってます。アシュリーといい、ベテラン選手のララランドには無条件で涙腺が崩壊するようになってしまいました。いつもなら爆破したい!と言ってしまう天井カメラも、ここでは映画のワンシーンのようでありだなと思いました。

ナムくんは休んだシーズンこそないものの、昨シーズンのGPSでは表彰台まで後少しというところでした。しかし、今シーズンのスケカナはすごかった。自国の声援を胸に、次々とジャンプを決め、ChSqでは会場中が熱狂。「もっともっと!」と言わんばかりに煽るところでは、ショートサイドのお客さんが手を上げて拍手をしています。あの時のリンクはライブ会場でした。表彰台での笑顔にこちらも胸が熱くなりました。


和愛ちゃんのFSはズバリ!シニア仕様変更が素晴らしかったで賞!

正直JGPSの頃までは、意図がはっきりと分かりやすいSPに比べ、FSはなかなかその真髄に触れることができませんでした。しかし全日本でChSqありでこのプログラムを見た時、なんとなくですが、ランビエール先生がこのプログラムを通じて和愛ちゃんに託したものが見えたような気がしたのです。Sikuriadasの尺が増えたことによって、前半の夢二のテーマとのバランスが良くなったのではないでしょうか。

テーマとしては「日本の女の子が世界へ羽ばたく」ということだそうですが、Sikuriadasは日本のちょうど真裏とも言える中南米の要素がある音楽で、でも楽器の音色はどこか懐かしさがあって日本調の音楽と妙に親和性がある。そんなクロスカルチャーを彼女が表現することで、彼女自身が世界で活躍するという未来を表現しているんじゃないかな〜なんて考えちゃいました。ん〜ランビコレオは深い!


こちら、お蔵入り賞でございます…実際に国際試合でお披露目されることはありませんでしたが、筆者がめちゃくちゃ好きなので入れちゃいました。

アリサちゃん×アイガット、最強じゃないですか??キュートで軽快だけど、ただキュートなだけでは滑りこなせない複雑な曲調。後半盛り上がるところで決まる3Lz-3TからのStSqはたまらんです。そして衣装が大変めんこい。もちろん今の持ち越しSPも彼女の個性に合っててとても好きなんですけど、こっちも見てみたかった…!


こちら、見ての通り(?)メイク賞でございます。

ザギちゃんクレオパトラは目元にラインストーンを置いていたのが印象的です。そのほかにもアップのお写真で見ると、目頭切開ラインやいつもより長めのアイライン、衣装に合わせた明るめの茶色のアイブロウ、強めのシェーディング…などとクレオパトラのイメージに寄せるための工夫がなされていて素晴らしいなと思いました。スポンサーである資生堂も関わっていたようですね。

シニツィナさんのクセニア仏教はもう言うまでもないですね…こちらは眉間にストーンを置き、眉の上にドット状の装飾ラインを加えています。アイメイクではもともとぱっちりした目ですがさらに広めの二重ラインを引いて目尻は跳ね上げ。あとは衣装の中にもあるトゥルーレッドを使ってはっきりラインを取ったリップ。このクリエイティビティ溢れるメイクだけで作品の世界観に吸い込まれます。演技開始1秒で入信を決めました。

パイポのRD、このカップル特有の絵本の中に誘うようなメルヘンな世界観が遺憾なく発揮されているな〜と思うのですが、特にパイパーちゃんのメイクが好きです。お揃いの蝶ネクタイから色を拾った、マゼンダピンクのリップとアイシャドウの華やかさが似合っているなと思います。15-16シーズンのSDでも思いましたが、ビビッドな色をアイホール全体に広げても負けない目のキラキラ感が眩しい…


こちらはキスクラ賞。男子シングルばっか集まっちゃったんですが他意はないです…ええ…。

優真くんの今シーズンの活躍は破竹の勢いでしたね。国際大会初戦のJGPクールシュベルでは、加点のガッツリ取れる柔らかなジャンプを武器にSPでいきなり80点台を叩き出しました。この大会はキスクラの席がゴンドラのようになっていたのですが、遠くのモニターに表示される点を見ようと覗き込む様子が本当にアルプスの高地にいるようでした。結局点数はすぐ近くに表示され、喜ぶ操先生の「ヨシッッッ!!(ガッツポーズ)」までがお気に入りのセットです。

駿くんの活躍も本当に嬉しかったです。特にJGPFでの演技は、その前の全日本ジュニアでの涙からコバトンオープンで驚異の4Lz成功、そしてこの大舞台でノーミス、という過程込みで感慨深いものがあります。そして点数発表で本人以上に喜ぶ日下コーチの姿が面白かったのと同時に、選手とコーチの強い絆を感じました。今シーズン一番繰り返し見たキスクラでした。

エイモズくんのキスクラも、トリノファイナルでのハイライトの一つでした。昨シーズンのIn this shirtを観た時から来季が楽しみだな〜と思っていた選手の一人ですが、この試合でのパフォーマンスは特に素晴らしかったです。体幹が強く、どんな姿勢でも自在にこなしてしまうので曲に合わせて様々な動き方ができる引き出しの多さが強みだなぁと思います。氷上では演技で会場を沸かせ、キスクラではリアクションで会場を盛り上げてくれました。元気を出したい時にはいつも観ています。

高志郎くんのスケアメも印象深いです。この時は点数発表までに時間がかかり、会場のお客さんから煽るような声が上がっていました。それに対し戯けたリアクションを見せたあと、「まだかな〜〜?」と手を合わせてすりすりしている姿がお茶目でした。なかなか思うようにいかない試合もあるシーズンでしたが、全日本では結弦くん昌磨くんに続いてスピンの得点で3位の評価を受けていましたから、来季どういった演技を見せてくれるか楽しみです。

プルキネンくんGPSデビュー戦となったスケカナでは、余裕のある美しいジャンプを決め2位発進。自己ベストを7点ほど上回る得点に驚いたのか、口が開きっぱなしになっていたのをコーチが閉めていたところに思わずクスリとしてしまいました。ポテンシャルのある選手だと思うので、安定してきたらどこまで上に行けるのかワクワクしてしまいます。


こちら、ガッツポーズ賞です。今シーズンも数々の名ガッツポーツが生まれましたが、特に印象に残ったものを。

新葉ちゃん×シェイリーンという黄金のタッグも4シーズン目ですが、毎回新たな感動をもたらしてくれています。このSPではボーカルの節を生かしたようなターンの使い方やエレメンツの配置が秀逸で、その意図を120%汲み取る彼女の滑りが魅力的だなぁと思います。終わりのポーズが右手を上に差し伸べるものなのですが、その反動で左拳を天井に突き刺す爽快さがツボでした。


ハイッ!もう分かるね衣装賞!!

ステブキムーランルージュはもう…至高ですよね。初見の時は感動のあまり叫びました。競技の衣装ではなく単体として展示されていてもお金を払って見に行きたいくらいなのに、ステパノワ様とブキン様という美女美男が着てくださってそのまま踊ってくれるなんて…これを見れる自分は前世できっと良い行いをしたのだろう…そんなレベルです。燃える恋のような赤を女性のドレスだけでなく男性の燕尾の裏地にも使っているところがなんともニクいです。

メドちゃんの衣装センスは毎回素晴らしいと思うのですが、今回ついに我らが日本の誇る名デザイナー伊藤さん作品になりました。映画で主人公が着ているのは淡いブルーのような着物なのですが、彼女の良さを活かすのはもっと明度の低い色だと思います。なので燕脂・黒・紺を基調としたお色味は大正解なのではないでしょうか。

ホワベイのFDも素晴らしいです。ペアとかダンスの衣装ってどうしても女性の華やかさに目が行きがちなのですが、こちらは男性の花柄のジャケットとエレガントなシャツがゴージャスでいいなと思います。男女で微妙に色相が違うのも乙だなと思いました。女性の衣装はシーズン後半版の方がより好きなのですが動画が見つからなかった…

マエちゃんの衣装はこれぞ★映え★というやつですね。向日葵色を中心とし裾にいくにつれて緑〜青と鮮やかなグラデーションが展開されていくさまは南国の美しい鳥を連想させます。中盤で腰を振る振り付けがあるのですが、フリンジになったスカートが揺れるのがとてもお洒落です。首と腕のアクセサリーも動くたびにキラキラして良いです。衣装の魅せ方を熟知した踊り方だなぁと思います。

ナディアピーター王様と私は、TwitterのTLに流れてきたのを見て知りました。こちらもステブキよろしく「単体でも永遠に見ていられるものを着て美しく滑ってくれるという天国」を味わえました。こちらは再現度も高くてミュージカルの舞台からそのまま出てきたようです。風になびくドレスのたゆみが綺麗すぎます。重くないのかな …?競技用でここまでできるってすごい。男性のベルトのゴールドも良いアクセント。

ウルハリのFDのお衣装は、どこか背徳感さえ漂うアシンメトリーの女性の黒いドレスに惹かれました。なんとも言えない薫り高さを感じさせて曲調にも合っているなと感じます。男性の白シャツはなぜ透けているのかは正直分かりませんが形はすごく好きです。


こちら2作品は振付賞です。

友野くんのSPは振付師と曲が発覚した時点で「これは好きプロに入るわ」と確信しました。英国ロイヤル・バレエ団のコンテンポラリー作品が元ネタなのですが、バレエダンサーから振付師に転向したフィリップ・ミルズ先生の手掛けるコレオなので、不思議な動きの中にもクラシック・バレエのベースが色濃く残っているのが良いんですよね。例えばStSqのところに入る長いツイズルは手をアン・ナヴァンの位置に置いていてまるでシェネかフェッテターンをしているようです。まだまだ見ていたいので継続してくれないかなぁ…

ワンリウのRDはシーズン前半のバージョンを推します。なぜならフィンステップに入る前の、タイミングをずらして「えっ?」て互いを見る振りが最高にキュートだからです!!!!(なんでなくしちゃったのおおおお)アイスダンスカップルとしてはかなり身長差がある方なのかな?と思うのですが、その身長差がこのプログラムに合っていて彼らにしか出せない魅力だなと思いました。


選曲賞でございます。もうこの曲選んで滑ってくれただけでありがとう大好き!!ってやつ。

樋渡くんペトルーシュカですが、ストラヴィンスキーの音楽を使うと言えば大体火の鳥で、ペトルーシュカはあんまりいないですよね(00-01シーズンのクリムキンさんとかかな?)。ちょうどバレエの方をその年に見たところだったのでどんな作品になるかワクワクしていました。バネのあるジャンプだったりビールマンだったりバレエジャンプだったり、ある意味曲芸技のような武器を持つ彼が道化人形を演じるのはとてもしっくりきました。無常感と奇天烈さのある終わり方も好きです。

シェルバコワさんのパフュームは最初テストスケートでは歓声が大きすぎて正直音が聴きづらかったために曲の全容が分からなかったんです。でもその後のGPSで、すごくお気に入りになりました。「幽玄」を体現したかのような音楽・動きで気付いたら知らない世界に飲まれていきそうな怖ささえ感じます。シニアデビューシーズンにこんな退廃的な曲で滑っても背伸びしている感じが出ないのは、彼女自身の持つ力が為せる技でしょう。

理乃ちゃんマズルカは開始一秒で鳥肌が立ちました。今までJGPSで数々のBeautiful Young Lady(テッドさん風に)の演技を拝見しましたが、ここまで弦楽器を操るように滑るジュニアスケーターっていたでしょうか…そして選曲はどなたでしょうか…ご本人だったら倒れてしまいますね。ええ。もうこうなったらスケートで使えそうなバイオリン曲全制覇して欲しい。手はじめにツィガーヌからどうでしょう!!

ネイサンラ・ボエーム、最初聞いたときオペラの方かと思ったのですがシャンソンでした。これ、恋人と貧しくも夢を見て暮らしていた20歳の頃のことを懐古している歌なんですよね。そしてこれを滑っていた時の彼がちょうど20歳。意図的な選曲だと思います。オペラの方のラ・ボエームアイスショーとかでいつか使って欲しいです。


これはね…特に筆者の独断と偏見で選んだのでGiulia賞!(全部独断と偏見ばかりですが?)もうなんかうまく言い表せないけど好きだ!!!っていうある意味一番愛が重いプログラムたち。

クラコワちゃん。好きです(ド直球)。SPは世界ジュニアの演技終わりのリアクションが可愛すぎて百億回再生した。FSはStSqのギュインギュイン進むフットワークに惚れました。衣装も似合いすぎてます。とりあえずSPを最後まで見てみんな恋に落ちましょう。

コストルナヤさんのFSはある意味問題作。編曲が…衣装が…ChSqが…など色々言われておりますが…ええんや!!ワイは美が楽しそうに滑ってくれるだけでええんや!!!!!!3曲目の切り替わりのあの彼女の内面が出たようなイッキイキした顔見れるならなんでもオッケー。

桃亜ちゃんには毎年驚かされてばかりです。今シーズンもとんでもないプロを提げてやってまいりました。JGPSでは驚異のStSq4+1.24(速報値)でした。鬼才リショーと天才モアがコラボするとこんな逸品が生まれるとは…

駿くんロシュフォールはレイクプラシッドの冒頭〜3Aまでの音のハマり方がツボに刺さりすぎて永遠にリピートしています。結構フレーズ単位とかじゃなくてピンポイントで音を捉えるセンスがあるのではないだろうか。

あなたのシャナナリはどこから?私はクールシュベルのシャナエワちゃんの前髪からです(?)。結局この時しかしなかったアレンジなのですがめちゃくちゃ好きでした。滑りから醸し出されるアバンギャルドな魅力が曲にぴったり合っていてそれはもう極上のデザートのようなプログラムです。世界ジュニアではパターンダンスの両セクションでレベル4を揃えていてヒエッ…ってなりました。

イヴェットちゃん、なんかめちゃくちゃ好きなんですよ。女子シングルリショーコレオの先駆けみたいな存在だと思うんですけど、彼女の滑るリショープロは全部お気に入りです。音と共に全てを出し切るラストポーズに心震えます。

クトヴォイくんもクールシュベル落ちです。こう見るとクールシュベルでハマったスケーター多いな!?小柄でまだ大技は組み込んでいませんが、曲調をよく捉えていてとても端正な滑りをします。この時まだ13歳なんですよ…おそロシア

ロイシャテオの青カルメンは強烈なインパクトがありました。カルメンっていうと普通赤だと思うんですが、青を基調とした独特な衣装に目を奪われました。音源も癖が強い。そしてあのChStの激情っぷりよ…一度見たら忘れられない。そしてそれを滑りこなす彼らが凄すぎる。ヴィラールの魔界に足を踏み入れてしまいました。見たことない人いたらぜひ一度見て欲しいです。


こちらは技術と表現の卓越した融合を感じられたプログラムでした。

メドちゃんのSPは冒頭のスーッと伸びていくRBOに惹かれました。曲調を捉えたスピン、情感あふれるステップ…弱冠20歳ですが、成熟という言葉がしっくりくるプログラムだと思います。元々のロシアで鍛えられた高い技術力に加え、クリケットでスケーティングにさらなる推進力が加わり、演技の深みが増したように思います。フィギュアスケートって良いなって改めて感じさせられました。

トゥルソワさんペールギュントはテストスケート版の方でリンクを付けました。どの試合のも好きですけど、この時の3Lz-3Lo〜StSqの流れは本当に鳥肌モノだったんです。カメラアングル・練習着だからこそより分かる身体能力の凄み・豪快なのに正確な足捌き・クリムキンからどんどん上がる会場のボルテージ…どれを取ってもこの時のパフォーマンスは驚異的でした。

ボイコズの007は最高にかっこいい。もう冒頭のポーズから「ぅゎっょぃ」 って感じのオーラムンムンですね。ボーカルが高音に移るところでちょうど女性が高く上がるリフトが配置されているのも、3FThや3LoThを緊張感のある曲調のところで跳ぶのもまさに「I have to risk it all」という歌詞にぴったりでよく考えられてんな〜〜〜って感動しっぱなしです。

ワリエワちゃんのSPは彼女の高い技術、四肢の美しさをアピールできる本当に優れたプログラムだと思います。元々すらっとした手足を持っていますが、それを存分に発揮できる振り付けかつ身体の動かし方をしているので、PCSの面でもGOEの面でも強みになっています。そして、競技という面を抜きにしても一つの美術作品として保存しておきたいです。


こちらは主題に合った身体表現をしているなと感じるプログラムです。

和愛ちゃんがここでもう一プロ登場。ウィンナワルツ独特のリズムを捉え、音楽の構成にドンピシャな配置のターンやエレメンツを、ドナウ川の流れのようにスムーズに、そして優雅でダイナミックにこなしていく姿に見とれてしまいました。SPでは短い演技時間の都合上クラシック音楽を使うとどうしても編曲で違和感が出てきたりしてしまうことがありますが、このプロは何も気にならなかったです。

スイハンのSPは後半のデススパイラル〜スピン〜5RLi〜ラストまでの流れが好きです。彼ら自身がボーカルや楽器になっているかのようで、曲調や構成がより分かりやすく、伝わりやすくなっているなと思います。高度な技をこなしながらここまで表現ができるのはすごいなと思います。

ワリエワちゃんも2プロ目。こちらは曲調がだんだん激しくなっていく後半パートで、無慈悲な現実のように押し寄せる怒涛の正確無比なジャンプが好きです。なぜなら彼女は"""絶望"""なので!!

ジェイソンシンドラーですが、彼の持つ身体の広い可動域があるからこそ、作品のメッセージを辛く痛いほどにを訴えかけることに成功しているんじゃないかなと思います。明るいキャラクターの印象が強い彼ですが、幅広いジャンルのプログラムと親和性があるなと感じます。

ジュンファンくんのFSは、四大陸で完成形を見られたことが大きいです。ピアノの音色のように柔らかなジャンプ、低音を捉えるスケーティング、叙情的な手先やフリーレッグの使い方、そして疾走感のある終盤のChSq、ダメ押しのスピン。昨シーズンから男子の演技は4分になってしまいましたが、このプログラムは映画作品を一本見終えたような満足感があります。


こちらは競技ルールの効果的な活用が感じられたプログラムです。

アリサちゃんはまだジュニア選手で、SPでは単独3Aを入れられません。そこで、「3Aが入れられないなら3A-3Tを入れればいいじゃない」というマリーアントワネットもとんでもびっくりな構成で挑んできました。しかも入っちゃうっていう。それでいてジャンプだけでなくスピンステップも崩れないどころかさらなる強みになっているのが恐ろしいですね…

結弦くんがSEIMEIの復活を発表した時、「あれ?30秒短くしなきゃだよね?どうすんだろ?」と思ったのですが、4S〜3A〜3Fの間がシークエンスばりに短くなっていて笑いました。こんな高クオリティジャンプを数十秒の間にポンポン飛ばれたらもう笑うしかない。彼の技術力の高さを改めて感じました。


こちらは競技の新たな可能性を開拓しているなと感じたプログラムです。

パパシゼは、今シーズンのパターンダンス課題がフィンステップと聞いて最もどうなるか予想できなかったカップルです。13-14シーズンにもフィンステップが課題になっていますが、その時とは180度違う、「これってフィンステップなの!?」という斜め上のプログラムで登場しました。「1, 2, 3, stretch!」の掛け声に合わせてぬるぬる滑る姿は最高にシュールで技巧的でもありました。一般的に「シャンパンが弾けるような」と形容されるフィンステップですが、こういうのもありなのかと驚きました。

ネイサンロケットマンはなんと言ってもあのChSq。JOで見た時、氷上で陸上のように踊ることは可能なのかと強い衝撃を受けました。普段はクールな彼があれだけの表情と動きでラップバトルの如く会場を煽る様子もまたかっこいいですよね。

フィアギブのFDでは、これまでダンスを見てきてこんなの見たことない!というエレメンツがありました。それはStaLiからのRoLiです。逆のコンビネーションならいくつかお見かけしたことがあるのですが、一度留まっていたところから動き出すのはとても新鮮でワクワクしました。また、それだけ未開拓のエレメンツをこなせる技術力もあると思います。このカップルのプログラムは毎度クリエイティビティに溢れているなと感じます。

ゆは菜ちゃんのSPは2016年に放送されたドロドロの愛憎劇を描く深夜ドラマ「黒い十人の女」のサントラから曲を取っています。3つあってそれぞれ「黒い十人の女-Main Title-」「女 それぞれ」「地獄絵図」という強烈なタイトルです。それが彼女が活躍することで世界中のリンクで流され、会場のお客さんが手拍子している、その光景がすごく面白かったです。日本のドラマサントラ、国内大会で使っている選手はちょいちょいいますが、こういう国際大会クラスの選手もどんどん使っていって欲しいですね。


こちらは主題にふさわしいエレメンツの配置だなと思ったプログラムです。

刑事くんのシャーロックホームズは、まるでジャンプ自体が事件や謎になっていて、それをホームズである彼がこなしていくことで解決へとつながっていくように見えます。また映画のホームズは肉体派でもあったことから最後のStSqは身体を大きく動かしています。そこからの謎が解けたエンドは初見の時「うわあああぁあ」となりましたね…これはいけませぬぞ…(良い意味で)

スイハンのFSは昨シーズンとっても好きだったので持ち越してくれて嬉しかったです。3FTh〜ChSqまでの流れが特に好きです。独特で重量のある5拍子の旋律には、彼らのスロージャンプが絶妙に合っているなと気づきました。


ここからはいよいよベストプログラムを考えるにあたり候補になったプログラムです。

梨花ちゃんのSP、最初に発表された時はこう来たか!という感じでした。どんな難解な曲もこなしてしまう彼女の匠の技は、やはり今シーズンも健在でした。細かいギターの音色も、個性的なボーカルも、すべてを身体で、スケートで表現してしまいます。とっても美味しい朝ごはんでした。

ララナキさんのことはJGPSで知りました。しかもまたクールシュベル。高さと幅のあるジャンプ、重厚感のあるスケート、ボティラインの美しい魅せ方にカロリーナの系譜を感じました。緩急の付け方も上手く、シェルタリングスカイのメロディーを見事に自分のものにしています。これからもどんな演技を見せてくれるのか、楽しみです。

花織ちゃんのSPはシェイリーン振り付けという今までにありそうでなかった組み合わせでした。彼女のスケートの持ち味であるスピード感がテンポの良いビートの上に展開され、スリリングでダンサブルな仕上がりになっているなと思います。試合を重ねるごとにどんどん動きの幅が広がっていくのにもワクワクしました。ラストポーズはシーズン途中からジャッジ前で手を広げるものに変わりましたが、こちらの方がよりインパクトがあって良いなと思います。

草太くんのIn This Shirtは曲が発表された途端に「あ、泣くやつや」と確信しました。清らかな滑りはそのままに、そこに憂いや情感も込められるようになったんじゃないかなと感じます。全日本ではStSq前の表情がカメラに抜かれていましたが、14-15シーズンのローレライでの照れ笑いとの対比も感じられてグッときてしまいました。

ハベドノのFDは最初のポーズと最後のポーズを並べると、男女の関係が変化していることに気づきます。私は映画未履修なので(見ますね…)詳しいことが言えるわけじゃないのですが、プログラムが終わりに向かうにつれて破滅していく男性の様がどんどん浮き彫りになっていく、その過程を表現しているのがすごいなと思いました。女性の髪型や衣装もとてもお似合いで好きです。

真凜ちゃんのSP、彼女の新境地を感じさせるプログラムだなと思います。持ち越しでまた見られたことがとても嬉しかったです。特に好きなのが終盤のStSqで、グロウルなボーカルに負けない力強いターンが印象に残っています。数シーズン前の彼女からは想像もできないほど強さを増し、でも天性のしなやかさはそのままにパワーアップした滑りを見ることができました。

タラダニの月の光は、ペアのイメージを変えてくれるプログラムでした。やはり一つ一つのエレメンツのインパクトが大きいので、ビッグな音楽の方が似合うのかな?と思っていたのですが、静寂の中に生きる、ロマンチックなデススパイラルや清涼感あふれるリフトを見て、こういう魅せ方もあるのかと感銘を受けました。パワフルさではなく、優しさが感じられる演技でした。

ウンスちゃんスペイン奇想曲、途中から昨シーズンのプログラムに戻してしまいましたがとても好きでした。エレガントなオーラ、表情や手先足先から漂う艶やかさ、パワフルなジャンプ、彼女の持つ魅力を引き出すのにこの曲が合うとは思いつきませんでした。最後に扇でパタパタとするところは平伏したくなる崇高さを感じます。


ベスプロを挙げて!と言われたらトップ5に入るプログラムですね。

昌磨くんのグレスピは、EX時代からお気に入りのプログラムで、競技プロになったらいいのにな〜なんて思っていたら本当になったのでびっくりでした。競技プロの制約上削られてしまった要素もありますが、EDM×クワドの爆発力を感じられたので良かったです。しっとりしたプログラムの印象が強いですが、こういうビートを刻むプログラムとも相性がいいんだなーと思います。私は彼のプログラムだとロコとLegendsとこれが好きなんです。すごく好みがわかりやすいかも…笑

テネルさんのSPは彼女の持つ正確で直線的な動きの魅力を引き出しているなと思います。面白いのは、直線的で非人間的な動きを中心にすると、逆にその中に味わいや人間み、しなやかさが生まれるんだなと感じられたことです。構成や起承転結の付け方も素晴らしくって、最後の高速コンビネーションスピンからのラストを見ると、また最初から見たくなってしまうのです。そして無限ループ。

パイポのFD、衣装は新旧どっちも好きです。旧衣装の方はクリムトの接吻を想起させるような優しげな色合いが似合っていましたし、新しい赤衣装の方はスピンの時にはためくのが美しいなと思いました。全ての要素が誰とも被らない見応えがあって独創的なものでありながらノーブルな魅力もあって、あっという間に4分がすぎていきました。

さっとんのFSは何度見ても心が揺さぶられてしまいます。プログラム名は正式名称ではないですが分かりやすいのでこれで。技術面ではシャーロットスパイラル、スライディングなどこれまでに入れてこなかった要素を盛り込み「さとこチャレンジ」を体現しています。表現面ではただ演じるのではなく自分自身の平和への願いを込めるという領域に突入しているなと感じます。救いの感じられるGPS以降の終わり方も好きなのですが、より衝撃の強かったJO版を挙げておきます。


2019-20シーズンの個人的ベストプログラム賞は…デレレレレレレデンッ!!チョクベイに贈ります!!

いやもうね、最初から最後まで、どこをとっても素晴らしい。テーマも衣装も髪型もメイクもクリエイティビティの塊だし、編曲も好き。チョックさんの持つ曲線美を蛇の女王という形で最大級に生かし、ベイツさんのキモさ(褒めてる)も発揮されていて、彼らの名刺とも言えるプログラムなんじゃないかなと思います。カーブリフトを二つ繋げるところなどエレメンツでもテーマを表現していますし、ChStでのプログラムのハイライトの持っていき方も上手い。繋ぎも工夫だらけ。首や手先だけでなく目まで使って観衆の視線を引きつけていて、そして最後のあのポーズ。最高すぎます。好きです。

というわけで書き上げたらもうスケオタ的年明けでした。 大変な状況が続きますが、今シーズンもスケーターの笑顔がたくさん見られますように!! Rabbit, Rabbit, White Rabbit!!